緑の山
国家本気度の精密雪崩観測とは
地球は雪崩にあふれている星。
雪が降れば、吹雪も雪崩も起こる。
雪崩を「白い悪魔」と恐れていた時代もある。
しかし、科学と情報が雪崩の恵み:blessingを解き明かしつつある。
1971年春、Davosは復活祭。クロッカスの花々が咲き乱れていた。
スイス連邦雪及び雪崩研究所で、同僚とDavos周辺の自然発生雪崩を徹底的に観察記録する日々が始まった。
以下は私の主戦場Davos Stillbergalp平均傾斜38度の観察記録を、1986年に紹介したものである。
観測は緑の山も産む
44年後の雄姿に感激した! 1971年から夏冬問わず2年間、この大斜面の精密観測と手入れを、スイス雪崩研究所の一員として担当した。
カラマツ・五葉松などの植栽木は、厳しい亜高山気象のために、当時は腰高ぐらいだった。急斜面でスリップして大怪我を負い、何週間も入院した苦い思い出の斜面である。
それが今では「天にも届け」・・
2015年のNeue Zuercher Zeitung (ノイエチルヒャ~ツァイトゥング)紙よ、Danke Bestens!
■ 1951年の全欧雪崩災害以降、スイスでは森林研究所と雪崩研究所が組んで、亜高山の森林を作り直し雪崩災害を減らす国家研究プロジェクトをDavosで立ち上げた。
私がお手伝いしたStillbergalp(シュティルベルクアルプ)には、その後もしっかりとお金が使われ、現在では世界一の亜高山森林試験地を誇っている。