人ならざるものと対話する者たち#2

前回の「人ならざるものと対話する者たち#1」を書いてから数日が経ちました。

様々なところから反響を頂きまして、大変ありがたい限りです。
人ならざるものと対話する者たち2話を読み進める前に、1話を読んでない方は是非1話からお読みください↓

人ならざるものと対話する者たち#1

2話目はあまりにも内容がぶっ飛んでいるため、正しく伝えるためにも是非1話から追ってきてください

犬と対話する

少しだけ1話目の内容を振り返っておくと
私自身が20代の頃に山岳救助犬の育成に身を捧げて、犬と深く関わっていくことで
犬と対話する術を身につけていった、という話を書きました。

ここで強調しておきたいのは

「犬と対話する」というのは人間の言語を操り会話をするということではないという事です

日常を共にして、犬の性格や癖を理解することでこちらの呼びかけや行動に対して反応が返ってくるのでその反応から何を考えているか読み取るというのが私が考える「犬と対話する」ということです。

環境のことを考えて始めた無農薬での野菜やお米づくり

2話の本題に入っていきたいところですが
簡単に私のやっている事を説明したいと思います。
前提が抜け落ちてしまうと真意が伝わらない可能性があるためしばしお付き合いください

私は5年前に長野県生坂村というところに移住して
無農薬で野菜やお米づくりを始めました。

野菜やお米を無農薬で作ろうと思い至った経緯として
農業における、化学肥料の使用や農薬が自然環境に与える影響がとても大きい事を知りました。
山やウインタースポーツに携わり自然環境の最前線にいることで、自然環境の変化というのを目で見て、肌で感じていたため、自分自身に出来ることは何だろうと?考えた時に
「自分や家族が食べる物だけは自分の手で作ろう」と思い至り、ちょうど良いタイミングで田畑のついた物件を見つけたことから、生坂村に移住して農ある暮らしを始めました。

今は時には馬耕などにもチャレンジして子供や仲間、動物たちと農ある暮らしを楽しんでいます。

植物の声を聞く者/三浦伸章

野菜やお米づくりをやる時に農法を決めるわけですけど
無農薬と一概に言っても様々やり方があるわけで、どの人を師に添えて実践していくかが重要になってくると思います。

私が初期に選択した農法は「自然栽培」というやり方で、インターネットで見ても情報が溢れ、書籍なども充実していて、講習会なども広く開催されていること、何よりも私が一番大切にしたい自然環境に負担をかけないというやり方でこの方法で野菜やお米を作っていくことになった。

やるからには3年は知識を付けようと
実際に野菜やお米を作りながら、本などを読み漁り、講習会などにも積極的に参加していった。

どの講習会も講師の方々はとても魅力的で、皆が一様に極めて輝いていたように思う

その中でも特に印象的な出来事があった講習会があったので、その講習会について書いてみたいと思う

3年ほど前にガッテン農法の三浦さんが長野で開催された講習会に参加した時の話
https://www.bookclubkai.jp/portfolio/interview08/

↑三浦さんのオフィシャルサイト

当時三浦さんが進めていたネジネジがとても気になっていたこと、長野で講習会が開催されるのは稀だったので参加することにした。

講習会が始まって開口一番度肝を抜かれた…

「ある日畑で作業をしていたらお芋さんの声が聞こえてきて」

えっこの人何言ってんの?と思った。
(当時の三浦さんは世界救済教という宗教団体に所属され、自然栽培の普及員をされていた、今は独立されている)

あ〜これまずいところに来ちゃったな…と思った。
勧誘されるやつやんと思って、目は自然と出口を探していた。

冗談のようで冗談ではなく、本気の話だ。

一抹の不安を抱いたが、三浦さんのお話はとっても面白く
どんどんと引き込まれていった。

午前中の座学が終わった頃には完全に三浦さんの世界観に魅了されてしまい、

午後の実技では畑での実践を交えて沢山の学びを得て講習会は終わりを迎えた。

極める人と言うのは独特な世界観を持っていて人を魅了して凄いな、と思った。

ただどうしても引っ掛かりが抜けなかった
「お芋さんの声が聞こえてきて」
というワードが自分の中で引っ掛かってどうにもむず痒かった。

なんでむず痒がったかというと植物の声が聞こえてきて(聞く)という言葉を直接的に聞いたのは2回目と言うより2人目だったからだ

植物の声が聞こえてくる?
植物の声を聞く?

どういうことかさっぱり理解できなかった

まだ10年以上前に聞いたディスクドッグのチャンピオン群馬県DOGTOWNの俊介くんの「世界のトッププレイヤーは犬と対話できる」という言葉の方が初見では理解できた。

犬はこちらが行動や反応を示せばその行動に対して何かしたらのリアクションをしてくれたから、それを繰り返すことによって読めるようになるんだろうなという思いはあった。

こちらが言語で喋りかけても一切反応を示してくれない植物とどうやって対話したら良いのか?私の頭の中には????マークが浮かぶばかりだった。

植物や雪の声を聞く者/若林隆三

三浦さんの講習会に参加したのが11月のことでそのまま冬へと突入していく事となる。

植物の声を聞くという事が理解出来なかった私は直接、師に尋ねてみることにした。
この「雪崩と生きる」というブログの前に先生が執筆されていたブログのタイトルが「雪と森の声に寄りそう」であり、木や雪の声が聞こえるとの話を先生との会話の中で伺っていたので本人に聞いてみることにした。

この時の心境として、自分自身も人ではない自然界のものの声を聞いてみたいという好奇心が溢れ出していた。
この人たちが見ている世界はどんな世界なんだろうか

「先生、実はこの間、野菜の講習会に参加してきて、その時の講師の方がお芋さんの声が聞こえてきたって仰られたんですよね」

その言葉を聞いた先生はニタリと微笑む

「先生も以前、植物や雪の声を聞くことが出来ると仰られていたじゃないですか、人ではない自然界に在るものの声を聞くこととはどう言う事でしょうか?」と質問した。

先生は優しく微笑み、ゆっくりと語り出した

「森山くん、自然の声を聞くというのはね、突き詰めて言った先にある日突然自然から語りかけてくるものなんだよ」

それ以上の言葉は発せず、思った返答を貰えずに不完全燃焼気味の私の顔を見て先生はまたニタリと微笑んだ。

私の思考は完全に迷宮の深みへとハマっていく事となる

自然と対話するとはどういう事なのか…?

#3へ続く

前提の話が長くなってしまったので#2は以上で終わりとして#3で全てを書き上げたいと思います。
#3では如何にして森山が自然の声を聞く者へとなって行ったのかを書ければと思います。

お楽しみに

人ならざるものと対話する者たち#2” に対して1件のコメントがあります。

  1. まっきー より:

    続きが楽しみ過ぎます٩( ᐛ )و
    今のところ長女の声だけは理解、対話できる者です。
    長男くんとはまだまだ時間がかかりそうです
    一生涯犬漬けの日々です

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