大会週間
おむすびオープンに山岳スキー競技日本選手権
大会週間が続いております。
2月23日は八方尾根スキー場、フリーライディングエリア「おむすび」にて
第1回おむすびオープンが開催されました。
そう、あのおむすびにてフリーライドの大会が開催されたのです!
ほんの5年前までは立ち入り禁止エリアで入る事は許されなかったエリア
4年前に八方尾根スキー場に来て、おむすびがオープンしてから
4年の歳月を経て大会が開催されるまでに至る事が出来ました。
大会は小学生〜大人までジャンルはスキー、スノボード、テレマーク、モノスキーと他ジャンルに溢れ
老若男女問わず、皆んなで高めあい、盛り上がりました。
朝までは視界クリアで最高の大会日和!と思っていたところ、前走滑走直前にガスが沸き…
1日を通してガスに悩まされる事に…
対岸のパノラマコースの林道に構えていたジャッジからコースを見通すことは出来ず
ジャッジ陣はコース内に移動してジャッジを行うことに
時折、抜けるガスの合間を狙って競技は進行して行きました。
ガスに悩まされた大会でしたが、怪我人もなく、無事に大会を終えることが出来ました。
雪質が良かっただけにガスのせいで全ての選手が攻め切る事が出来なかったのは非常に悔やまれます。
この大会はとても感慨深いものになりました。
私が15歳の頃、フリースキーを教えてくれた近藤隊長(娘さんはオリンピアン)
18年の時が経ちその教え子、小学生、中学生がおむすびオープンに出場してきたということ…
自分も若い子達が活躍する場を作り上げる立場になってきたんだなと考え深い思いが溢れてきたと同時に
今の若い子達は、同じ志を持った仲間達が居て、環境があって羨ましいな〜とも思いました。
当時では考えられなかった環境も、次の世代を想い、活動されてきた方々のおかげで今があるんだなぁと実感しました。
ここからは若い子達が、活躍する場(大会)学ぶ場(山、雪、雪崩、サーチ&レスキュー、スキー技術など)環境(スキー場、山)などを構築していくことがとても重要だなと感じ、そこに尽力していこうと思いました。
願わくば白馬から世界一の滑り手を
その環境や才能が次の世代にはあると感じさせてくれる大会となりました。
そして早急に自分の得意な、雪崩、サーチ&レスキューなどの技術や知識を若い彼らに伝えられる場を設けようと思いました。
山岳スキー競技日本選手権
ところ変わって25日(金)〜は富山県宇奈月で開催された第15回山岳スキー競技日本選手権大会の雪崩管理に
山岳スキーレースの雪崩管理を請け負うようになってから4年(うち1年はコロナで中止)
今までは4月に栂池高原スキー場で開催され春の一つのイベントとなっていた大会
今年は会場を富山県に移して開催されました。
初めての会場ということもあり、金曜日に現地入りして会場準備、地形把握、雪崩管理を行いました。
山岳レースの時に意識しているのは設定しているコースに対しての雪崩の危険度の把握
特に春めいた気候になってくるとちょっとした地形でも条件が整えば湿雪点発生が出るので
雪崩が発生した場合、コースに届くのか?否か?を意識してコースの設定に対してアドバイスをしたり
危険がある雪庇などは事前に処理を行い、湿雪雪崩が出そうなところはあらかじめスキーカットに入って
雪崩のボリュームを下げるなどの対処をしておく
スキー場の雪崩管理と違って難しいなと思うのは、管理は山で行われるという事と
季節の変わり目、春に大会が開催されるため、天候に全てが依存されてしまうということ
雪崩管理者の視点から見ると気温が上がってきた春の降雪というのは厄介者でしかない
雪が降ってもパウダーを楽しめるのは一瞬で、日が差せば雪は一瞬で湿気
時として湿雪雪崩として牙を剥いてくるし、雪崩として落ちなかったとしても水分が浮いてストップスノーとなり
滑るには厄介で日中溶けた雪は夜の冷え込みでガチガチに固まる…
言葉にすると春の雪って厄介ですね(笑)
と言いつつもラストパウダーラストパウダー言いながら楽しんでしまうのですが
大会当日は雨
一番厄介だったのは
大会当日が雨予報だったという事
そして予報通りに雨が降ってくれたこと…
春の雪崩管理で一番厄介なのが雨
雪質と降雨強度によるが雨が降ると大概、湿雪点発生が出るのでもう本当に厄介
何が厄介って日射を受けて発生する湿雪雪崩は日当たり面を気にしていれば良いが
降雨によって発生する湿雪雪崩というのは斜度の条件が整えば全方位で発生するので
正直お手上げ状態なのである(日々普段管理しているスキー場ではないから尚の事)
大会当日、雨降りのなか朝一番のリフトで山に上がり、雪質のチェックに入った。
ペアリフトは時代を感じさせる味のあるモノだった
連絡リフトを降りて山に上がる準備をしていたらスキー場のベテランスタッフに声をかけられ
「こんな雨降りの日は雪崩が出る、今日はダメだ」と言われた。
私は「それを判断するために朝一番に上がってきた、山に入って雪を見て私が判断しますよ」と返事をした。
雨、風に打たれながらのハイクアップとなったが、雪を踏み締めながら
今日の雪量に対する、降雨強度であれば湿雪雪崩は問題ない、前日のミーティングで決定した。
短縮のコースであれば問題ないと判断し、本部へと連絡をした。
魂が震えた
大会当日の詳細は控えるが
スタート時間に近づくとスタートの宇奈月駅では雨、中間ではみぞれ、山頂付近では吹雪という過酷な環境に…
レースは若手とベテランの一騎討ち!2人の混戦に息を呑む状況‥
抜きつ抜かれつの展開に魂が震えました!!
詳細は大会に同行されていたカメラマンの杉村さんが書かれている記事を見ていただきたい
https://bravo-m.futabanet.jp/articles/-/120831?page=1
正直、スキーモはやりたいと思わないが一見の価値はある
言葉では説明できない、ぜひ現場で見てほしいなと思う。
そしてFWQへ
2大会を終えて思うのは世代交代が来ているなと思う
それは職場でも起きているんだけれど、彼らが活躍する環境をうまく作り出してバトンを渡していけたら
いいなと思う。
大会3個目は1月にコロナの影響で延期されたFWQ HAKUBA
この大会ではどんなドラマを見る事ができるのか
春の雪崩管理はとてつもなく大変だがやる価値はあるよね〜
頑張ろう