『白馬雪崩の学び舎』

雪崩には各地域での特性がある
沿岸部に近い地域で降る雪は湿気を帯びており、内陸に向かう程、乾いた雪が降る
地方風や局所風と呼ばれるように、地域によって吹く風は様々で
颪(おろし)と呼ばれる山から吹き下ろす風には各地の地名が付く
六甲颪、赤城颪、八甲田颪、アルプス颪、富士颪などを代表に
その土地土地の性質を持った風が吹く…
風が違えば発生する雪崩も違って当然だと思う

雪崩の話は地域内で

雪崩に各地域での特性があるなら発生した雪崩の事を地域内でもっと議論されても良いのではないか?
そういった考えから、雪崩の事を地域で話し合い、学び、情報共有をする場が必要だと思い

『白馬雪崩の学び舎』を開催しようという考えに至った。

『講師』は地域に住まう様々な人

その土地には代々住まわれてる人々がいたり
その土地が好きで移住されてきた人々がいて
子供の頃からその土地で育った人がいる
様々な人々が営み、地域が成り立っている。

その多様性のある村に住まう
様々な視点を持つ人々が講師となる事で学びの場が広がりを見せていく

参加者は地域に住まう人

滑り手、パトロール、ガイド
同じ地域に住み、同じ山域に出入りする皆がひとつの場に集い
それぞれの観点から雪崩の話をして、相手の立場を知り、学び、深め合う
そんな場にしてゆきたい

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第1回『白馬雪崩の学び舎』開催のご案内

祈念すべき1回目は「温故知新」

白馬に住まう先人達の声に耳を傾けてみたいと思います

第1回目にふさわしい講師を2人お呼びする事となりました

1人目の講師は降籏義道さん


降籏義道 profile

白馬生まれ、白馬育ち20歳の時に南米パタゴニア・アンデスの難峰パイネ・ノルテに初登頂
以来ヨーロッパアルプス、ヒマラヤへ遠征が続く、チョモランマ(エベレスト)・アンナプルナ・マナスルなど高所でのスキー登山を実践、元スキーデモンストレーター、日本人初の国際山岳ガイド
日本山岳ガイド協会特別顧問、白馬山案内人組合の組合長を長年勤められた
ドラマ「山女日記」などを初め、多くの山関係のドラマ撮影で山岳指導を行う
*一部ホテル・ラ・モンターニュ・フルハタHPより抜粋

今回、降籏さんにお話しいただく内容は

1、「白馬岳周辺のスキー登山と歴史」

2、「マナスル高所登山での雪崩事故」

という2テーマでお話を頂きます。

降籏さんのお話はディスカッション形式で質問があれば話の途中であってもどんどんと投げかけて下さい。

今回何故、降籏さんに講師として登壇を依頼したかというと

私たちが生まれる前から冬山に入られていた降籏さん、当時はリアルタイムで天候情報を得る術はなく
雪崩の知識や技術は確立されておらず、雪崩トランシーバーもない時代
何を見て、何を考え、雪山に入っていたのか?

マナスルという局地の特殊な環境で個人ではなく、登山隊として山に入られていた経験から隊としての行動、判断はどのように行われていたのか?極限の状態で事故に遭われた時に何を思い、行動されたのか

道具に恵まれた私達では体験し得ないお話をお聞きしたく、講演をお願いさせて頂きました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2人目の講師は若林隆三先生


雪崩屋 若林隆三 profile

京都生まれ、北海道大学山スキー部出身、日本人で初めてスイス国立雪・雪崩研究所客員研究員として留学される
スイスより帰国後はサバイバル雪崩講習会を創始、指導をされる。JRおよびスキー場雪崩安全対策コンサルティングを行われる。
日本雪氷学会理事、雪崩分科会長、日本林学会常務理事などを歴任される
アルプス雪崩研究所所長、白馬マイスター、農学博士

代表的な著書「雪崩の掟」(信濃毎日新聞社)などがある

若林先生にお話頂く内容は

プロローグ「雪崩屋が奏でる旋律」

1、自然循環の中の雪崩の役割、雪崩が研究され始めた理由

2、地吹雪雪崩(ダイヤモンドダスト)

3、弱層テストやない!ウィークインターフェーステストや!

の3テーマになります。

主催者の森山の雪崩の師である若林先生
3シーズン前から雪崩の勉強会を若林先生に開催して頂き、勉強会の中で語られる雪崩の奇才による話の数々、この話を多くの方々に聞いてもらいたいとずっと温め続けてきました。
多くの方々が雪崩の危険性や被害を訴える中で、若林先生は皆とは違った視点を持ち続けました
先生の話の中で一番好きな話があります。
先生はカモシカに問いました「雪崩は美味しいか?」と…(問うた理由は会の時に是非聞いてみて下さい)
雪崩は白い悪魔ではなく、自然循環の中で役割があり雪崩れている
そんな普段聞くことが出来ない、触れることのない、雪崩の違った観点からの話を聞いてみませんか?

勉強会の中で先生は雪について20歳の頃からいじり始めて60年研究を続けてきたけど解が60年後にハッと見つかる事があったと仰られました。
若林先生の最新の雪崩に対する理論も講演の中でお伺い出来たらと思っています。

 

「白馬雪崩の学び舎」という初めての試み皆さんと楽しい学びの場が作れたら嬉しく思います。

第1回「白馬雪崩の学び舎」は無事に終了しました。

開催場所:白馬ノルウェービレッジ
開催日:12月16日
時刻:17時〜19時半
定員:20名
参加費:1000円、通常の会は500円を予定しておりますが、初回は講師が2名のため1000円とさせて頂きます。
     *参加費は会場使用料を差し引いた後、講師に謝礼としてお渡しします。